古い和額装の修復・仕立て直しをしました。 額装は昔ながらの組子(骨組み)に袋貼パネルに裏打ち・覆輪巻き(作品の周りの縁取り)をしておりました。 古い額にはガラス等が入っておりませんでしたので、シミや汚れがあり、特に作品の右下部分には、作品糊付けの下から布地色が染みだしてきた(と思われる)シミ取りが厄介でした。
お客様の当初のご要望は現物の額縁はそのまま使用し、作品の破れと布張替でした。 しかしながら昔の和額の縁掛り(ガラス等が引っかかる部分)が非常に短い(薄い)ので、この現物の額縁を使うには大変な作業(縁に溝を掘ったり、裏側にも更なる加工が必要)になることを説明をし、額縁は新しいものを作りことになりました。 また、下の布地色が染み出た(であろう)部分の補修には、全体のバランス(全体との色落ちのバランス)に注意を払いながらの作業でしたので大変でした。 下の布地の色が染み出た部分の補修をしました。