ある日、「ワッペンの額装」をご希望とのことで、当店ホームページをご覧になったI様からお問合せのお電話をいただきました。
I様は、愛知県名古屋市の「阿部建設株式会社」で働いているスタッフの方。
社長が大切な方からいただいたワッペン12枚を、ホームページ掲載の額装の様に出来たら、とのこと。
とても大切なお品ということもあり「出来るだけご要望にお応えし、末永く心地よく楽しんでいただける額装に仕上げたい。」という想いで打合せを重ねました。
愛知県と、埼玉県では、「ちょっと行ってくる」というような距離ではありませんので、ご説明と打合せは、すべてLINEで、画像等のやり取りと併せて進めていきました。
ワッペンの額装は、
こちらに飾ってあるオートレースとバイクの写真額装と一緒に飾りたいというご希望でした。
こちらの額装に合うように、なるべくシンプルな額。そしてワッペンの厚み分、やや深みがある額...という条件から額選びをしました。
何度かのLINEのやり取りを重ねた後、下記写真の様な18mmの深みがあるシンプルなアルミ額に決まりました。
この額縁は7mm幅と細身で、内流れの傾斜がアクリルを支える仕様のシルバー額です。
ワッペンの厚みにちょうど良くスッキリとした立体感のある仕上りになりました。
きっと、オートレース額装の横に並べても、すんなりと自然な雰囲気で飾っていただけることと思います。
実は、ワッペン額装がある程度進んだところで、新たな額装のご依頼をいただきました。
それは、こちらの「隕石」と「化石」です!
ひとつは、宇宙から秒速数十kmものスピードで地球に衝突してくるという重量感ある複雑な形状の隕石。
もう一方は、太古の地球で一生を終えた後に地球に抱かれ眠りつづけ、様々な条件が整ってできた魚の化石。
どちらもそれぞれにロマンを感じます。
これらをどう額に収めるか、、を、ワッペン額装と並行して打合せをすることになりました。
いろいろな額装パターンを考えましたが、隕石額装についてはその形状から特に複雑でした。
感覚的なところも多分にある額装に於いて、ご説明とご質問、多数の確認項目を含んだ長文と画像のやり取りが行われました。
額縁やマットはどのようなものにするか? 隕石と化石の留め方は? 隕石のどの面を見せる? 化石の傾き加減は? 額の向きは? プレートの種類は?・・・
結局ほとんどお任せいただきましたが、感覚的なものなので、こちらで選んだものはやはりその都度確認を大切にしました。
そして、こちらが、やっとやっと...仕上がった 隕石と化石額装の完成形です。
シンプルで見やすく中庸的な感覚がして「博物館の展示の様な仕上がり」というのが、私どもの第一印象で、いままでとは異なる感動を感じました。
こちらが仕上がるまで、I様に於きましては、長期出張等でお忙しい社長の阿部様に、タイミング良くLINE内容をお伝えし、ご理解頂き、ご了承いただいくという間には挟まれるという一番の要所を務めていただきました。本当にお骨折りのことだったと思います。誠にありがとうございます。
しかしその労力は、こちらの社長の阿部様のステキな笑顔で報われたことと思います。
I様からのお問合せをいただいてやり取りをしつつ、阿部建設株式会社様のホームページにおじゃまさせていただきました。
創業明治38年(西暦1905年)という歴史ある会社の社長阿部一雄様ご自身も、37歳のときに趣味のオートレースで事故に遭い、車いす生活をされているとのことです。
社長の阿部様のこの経験をベースに、様々な関係者の方々との協同により、体が不自由な方に機能的で快適でぬくもりのある「バリアフリーの注文住宅」に力を入れている会社様です。お客様の「こうだといいな」を、「そうだよね」と自然と会話をするように解ってくれるのだと思います。このことは、お客様にいつの間にか安心と信頼をもたらしているように感じます。なぜなら、お客様との感謝にあふれ、笑顔に囲まれた交流が、ホームページ(YouTube等)で感じることができたからです。
阿部社長とご担当のI様、この度のご用命誠に有難うございます。
どうぞ額縁のあるこころ豊かな毎日をお楽しみください。
後日談:額装が仕上がって発送する際も、梱包の段階から「どうか無事に受け取って下ださい。運送会社の方々、どうぞ衝撃を与えないでやさしく運んでください。」と祈るような思いでした。無事に受け取って喜んでいただけ、本当に安心しました。